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どこから都会で、どこから田舎なのか(4)

都市を語る

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前回、商業規模による基準で分析していた途中で終わっていたため、その続きです。
前回を見ていない方は、(3)から読んでいただくことをお勧めします。

7.商業・経済が発展している都市(2)

商業規模を知る上で、大きな統計として前回は小売業を見ていきました。
小売業とは、生産者や卸売業者から購入した商品を、最終消費者に販売する業種のことです。
そのため、その都市に住む人が多いほど、またその都市に住む人々の経済力が高いほど小売業売上が高くなる傾向があります。

今回は、都市別の卸売業を見ていきます。
卸売業は、メーカーや生産者から商品を仕入れ、小売業者に商品を卸す(販売する)業態です。
個人ではなく企業や事業者相手の業態であるため、小売業よりも商圏が広く、人口以上に都市の中枢性に影響を受ける指標です。

平成28年経済センサス-活動調査(経済産業省)をもとに作成

2016年のデータになります。
卸売業も、ある程度都道府県人口による影響を受けていますが、それよりも中枢性に大きく影響されていることがわかります。
小売業では人口規模が多い横浜・埼玉・千葉など、首都圏の中核都市が商品売上高の上位にありましたが、卸売業では軒並み順位が下がっています。
逆に、名古屋・福岡・宮城・広島などの地方中枢都市は順位を上げており、中枢性が卸売販売額に大きな影響を与えているのは明らかです。石川や香川も四国・北陸の中心都市であり、小売業と比較して卸売が多い傾向も見られます。
群馬はヤマダ電機の影響がかなり強そうですね。流石日本一の家電量販店です。

小売業・卸売業両者を見ても、基本的には
東京・大阪・名古屋は圧倒的であり、人口規模が影響する指標では横浜が目立ちます。
4市以外では福岡が次点で続き、札幌・仙台・広島などの中枢都市や、千葉・さいたま・京都・神戸などの人口が多い都市・都道府県も上位に来るようです。

結局は商業売上も、人口や中枢性と高い相関関係にあるので、他の指標での比較とそれほど結果は変わらないですね。


8.その他基準について

今まで話した基準以外で都会田舎議論で出されるものとして

  • 高層建築物数
  • 百貨店や有名店の店舗数(スターバックスが多め?)
  • 駅や空港などの乗降客数
  • 大学・学生数

など、さまざまなジャンルのものがあります。

やはり都市の見た目も重要な要素となりますし、国際線利用者数は海外への影響力も多少考慮できるでしょう。
百貨店は昔は数多く存在しましたが、現在では人口30万人に満たない都市だと存続が難しい状態であることが多いです。
大学数や学生数は、人口移動にかなり大きな影響を及ぼしており、都市の発展を考える上で最重要な基準の一つとなると思っています。

今後機会があればこのような指標についても考察して見たいと思います。
次回はIRについて取り扱いたいため、この連載(?)はここで一旦おわらせていただきます。

皆様は都会と田舎の線引きをするならどこだと考えますか?
もしよろしければコメントでどのような基準を重視しているか教えていただきたいです。

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