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IRは地方発展の鍵となるか(1・福岡IR)

IR

皆さん、IRという言葉をご存知でしょうか?
IRとは、Integrated Resortの頭文字を取った略語で、日本語では「統合型リゾート」と呼ばれています。
名前の通り、IR施設はカジノ施設を核としたホテル・MICE施設・商業施設・プールなどのレジャー施設を含めた滞在型リゾート施設全体のことを指します。

今までIRといえば、ラスベガスやマカオ、シンガポールなど海外のリゾート地をイメージされている方が多かったと思いますが、近年日本でもIRの話題を耳にすることが増えたと思います。

それは、「特定複合観光施設区域整備法」(以下、「IR整備法」)が可決されたことにより、日本でもIR施設を誘致する機運が上がったからです。

まずは国として、【最大3都市】で日本最初のカジノ開発候補地を選定する方針で、現在日本で数か所の立候補を表明した都市が存在します。

今回、カジノの建物パースが存在する4都市について弱み・強みや、隣接候補地との比較を数回に分けて紹介していきます。

1.福岡IR概要

まず、福岡市の海の中道・西戸崎周辺で民間主導により計画されている、福岡IRについて紹介します。

福岡IRについて、福岡市からの正式な発表はまだありませんが、2022/3/30に提案者であるBally’sCorporationが福岡市で記者会見を行い、計画の概要を発表しました。

岡IR完成予想図・立地について

IR福岡の完成予想図※場所は「海の中道エリア内(540ha)」だが、詳細は未定。3月開業予定のパーク・ツーリズムとは無関係
NetIB-News https://www.data-max.co.jp/article/45900 より

こちらが福岡IRの完成予想図です。
国内を代表する陸繋砂州であり、計画地の両側が博多湾・日本海に面しているレジャー施設には適した立地です。

この場所は、JR香椎線がすでに通っており、博多駅から直通運転が可能な路線になっています。
単線のため路線の拡充が必要ではありますが、既存の設備を利用できるため、新規に路線を開設するよりも格段に安上がりで交通アクセスを整備できると考えられます。

採算性他候補地との比較について

福岡IRを計画している米IR投資企業のBALLY’S CORPORATIONが福岡・九州の各経済界団体に基本計画を含む正式な意向表明書を提出したという情報が出ています。

この情報と、現時点で本命とされる各候補地の情報を比較した表が下記になります。

各機関発表内容により作成

実際に実現するのは全国で最大3ヶ所ということなので、
IR福岡はIR長崎
IR大阪はIR和歌山
競合すると考えられます。

ここで長崎の計画と比較すると、総事業費で見ると福岡計画がより大規模ですが、収益予測はIR長崎が多く見積もられています。

しかし、立地や国際線利用客を見ると、IR福岡の倍の利益をIR長崎で出すことは容易でないと思います。
単純に考えて年間240万人の海外利用者を上げるには、国際線利用者が全員IR長崎に来場すると考えても約1.5倍の国際線利用者を増やさなければなりません。
IR福岡の、外国人利用者23万人以下(5%以下)という数値は、逆に少なすぎると思うほど過小な試算を行なっています。アフターコロナを考え、インバウンドに頼り切ることのない運営を目指しているのでしょうか。

国際線利用者が多い大阪・東京の空港・港を利用した観光客は、おそらくその大部分が関西に建設されるであろうIR施設に向かうと予想され、わざわざ在来線しかないハウステンボスに来るとは考えづらいです。

観光庁発表による2019年統計を見ると、長崎県の観光入込客数は1200万人であり、その内半分がカジノを利用するという想定はあまりにも現実から乖離していると考えられます。

福岡IRの統計を見てみると、福岡県への観光入込客数は7600万人と長崎の6倍強であり、このうち約17分の1と考えると、かなり現実的な数値で予測を出しています。

これらの情報から、IR福岡はIR長崎と比べて、立地・都市規模・インフラで相当な有利性を持ち合わせていることがわかります。

運営業者・計画状況について

福岡IRの運営業者(提案業者)は、前述したBally’s Corporation(米・ラスベガス創業)です。
米国の大手カジノ運営会社であり、米国各地に複数のカジノや競馬場を所有・管理しています。

元々福岡市は2020年に、カジノ誘致は今の所考えていないという旨の発言をしておりました。
そのため、福岡青年会議所をはじめとする民間団体が誘致活動を展開しています。

NetIB-Newsの記事によると、Bally’s社が「福岡IR誘致開発に関する記者会見」を近日行うとしています。そのため、福岡市はこの誘致活動を受けて正式に誘致を表明するところから始める必要があります。
今後の動きが気になるところです。

個人的な話になりますが、間違いなく福岡経済に大きな影響を与える存在になると考えていますので、是非誘致に手を挙げてほしいと思っています。
日本版IRのメリットやデメリットについても話したいと思いますが、4候補地の紹介が終わった後に少し記事にする予定です。

下記サイトで福岡IR誘致の署名が可能です。
https://ir-fukuoka.jp/

次回に続きます。

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