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【都道府県別】2025年・2035年・2045年の将来推計人口を分析する

将来人口推計

都道府県の市町村別解説もよければご覧ください。
【北海道内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する
【秋田県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する
【宮城県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する
【広島県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する
【福岡県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する

日本の人口減少が問題視されて数十年が経ち、平成27年の国勢調査で、調査以来初めて日本の総人口が減少しました。
この国勢調査から7年が過ぎ、依然として人口減少は続いています。
日本の人口減少はこれから先急激に加速していきますが、地域毎に減少度に差があり、2045年になってもほとんど人口減少が無い自治体も少ないながらあります。

今回は、2015年の国勢調査実数値をもとに、2025年・2035年・2045年にどれだけ人口が減少するのかを都道府県毎に見ていき、地域毎の傾向を分析します。

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日本の人口将来推計

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

まずは、日本全体の人口と高齢化率の推定値を見ていきます。
2018年発表の資料であり、2015年は国勢調査の実数値で、それ以降は推計値です。

日本の人口は2015年以降一貫して減り続け、年が経つ毎に減少スピードは加速しています。
2029年には、1億2000万人を割り込み、2042年には1億1000万人、2053年には1億人を下回ります。10年で1000万人近い人口が減少していくと予測されています。

現在の時点でも世界最高の高齢化率である日本ですが、今後も高齢化率は伸び続け、2015年の26.6%から、40年後の2055年には38%に達します。3人に1人が高齢者です。

2025年の将来推計人口【都道府県別】

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

減少割合を可視化した地図です。
増加している都道府県は、東京・沖縄の2つのみで、その他は減少しています。
減少の少ない地域の特徴として、

  • 首都圏・関西圏の主要都市を有する都道府県
  • 宮城・石川・名古屋・広島(岡山)・福岡などの地域を代表する都市
  • 沖縄・滋賀などの出生率が高い地域

が挙げられます。

高知・青森・秋田県で特に人口が減少していますが、これらの県は2015年時点で高齢化率トップ3です。
秋田県は唯一高齢化率が40%を超えるダントツで高齢化が進んでいる都道府県です。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成
減少率は2015年を100とした時の数値

減少数ワーストは北海道、次いで大阪・兵庫となります。

減少数なので、上位は人口が多い都道府県となっています。
特に北海道は人口が多く、高齢化率も比較的高いので、ダントツの減少数になっています。
また、東京・愛知・福岡など地域の中心都市は軒並み減少率が低いですが、関西の中心である大阪府は減少数が多いことも特徴的です。

青森・秋田・岩手や福島など人口規模が大きくない東北地方の都市でも減少数で比較的上位に位置し、東北地方の人口減少が激しい傾向を示しています。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成
高齢者は65歳以上 若者は15歳未満の割合

地域別に高齢者が多いのは、東北・四国・北海道であり、
この3地域の人口減少数や減少率も比較的高い傾向にあります。
またこの3地域は若者率も低く、将来的な人口減少にも繋がってしまいます。

2035年の将来推計人口【都道府県別】

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2025年から10年後の2035年の減少率です。
東京・沖縄は依然として人口が増加していますが、他の地域は軒並み悪化しています。
地域別で見ると

  • 関東圏
  • 関西圏
  • 中部圏
  • 中国地方関西側
  • 北部九州圏

の5地域で比較的減少が緩やかです。

北海道、東北、四国、山陰、南部九州など、太平洋ベルトに属していない都道府県で減少率が低い傾向にありますが、この傾向は2025年から変わっていません。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成
減少率は2015年を100とした時の数値

殆どの都道府県が軒並み減少が加速しています。
引き続き大阪府・北海道・兵庫県などで人口減少数が多い推計です。
沖縄県も人口を維持していますが2025年推計値から人口を減らしており、人口減少の局面に入っています。
唯一東京都のみが2025年から人口を伸ばしており、東京都への一極集中の度合いが強まりつつあります。東京都は全都道府県で最も合計特殊出生率が低く、東京に集まるほど日本全体の出生率も低くなることが考えられます。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成
高齢者は65歳以上 若者は15歳未満の割合

他地域への労働者人口の流出が激しい北海道や東北、四国などの高齢者率は依然として高いです。
また、次いで九州地方が高いですが、上記3地域と比べて若者率が比較的高いのも特徴の一つです。
九州地方各県は、福岡県を除き、全国的に見ても出生率が高い地域であり、若者率の減少は比較的緩やかに推移しています。

2045年の将来推計人口【都道府県別】

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2045年の減少率です。
東北地方は、宮城以外の全ての都道府県で3割以上人口が減少します。
2015年から2000万人の人口が減少する中、東京都だけが2015年比で人口を増やしており、東京都が日本の全てを吸い取っています。

85%以上の人口を保っている県も、
東京・千葉・埼玉・神奈川・愛知・滋賀・広島・福岡・沖縄
と9都道府県しかありません。
この内、広島を除く8都県は2015年〜2020年の国勢調査で人口が増えた8つの都市全てであり、人口減少が始まるのが比較的遅かった自治体になります。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成
減少率は2015年を100とした時の数値

順位の変動自体はそこまで起きていませんが、殆どの都道府県の人口が2015年比80%を下回っています。
減少数上位の都市は、大阪や愛知、神奈川など元より人口が多い都道府県が中心となっています。
その中でも北海道や新潟、青森は特に減少率が多く、秋田県はほぼ半減の状態です。

人口減少トップ10の30年間の減少数だけで、現在の大阪府が消滅する規模の人口が減っており、日本の経済能力の低下や、地方部のみならず、タワーマンションなど都心部でゴーストタウン化が進むなど、さまざまな分野で人口減少の影響が強く出るでしょう。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成
高齢者は65歳以上 若者は15歳未満の割合

高齢化率も軒並み上がっていますが、2035年推計まで高齢者率が、比較的低水準で推移していた関東や関西などの人口集中地帯でも九州や四国並みの高齢化率まで上昇しており、この時期になると都心部でも多くの高齢者が見られるようになります。
北海道・東北・四国の元より高齢化率が高い地域でも上昇は止まらず、40%以上の県民が高齢者という時代に突入し、ますます地域の活気がなくなりそうです。

国立社会保障・人口問題研究所より https://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/PopPyramid2017_J.html
国立社会保障・人口問題研究所より https://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/PopPyramid2017_J.html

一方、若者率はいずれの地域も下げ止まりにあるようで、2035年の数値から微減で済んでいます。
これは、団塊世代が寿命を迎えた結果、一気に人口が減少し、相対的に若者率の下げ止まりが起きていると考えられます。

総括

10年毎の人口推計を見ていきましたが、地域毎で減少度合いに大きな差があることがわかります。
特に、現在でも高い高齢化率となっている東北地方や北海道地方、四国地方は人口減少の度合いも激し区なっています。
今回の推計値は、出生・死亡共に中位水準の統計から抜粋していますので、出生率や今後の政策の如何によってはさらに悪い状況・良い状況になることも考えられます。
どうやっても人口減少の未来は避けられない日本ですが、未来を見据えた都市開発や、個々人の人生設計を行う必要があるでしょう。

今後は、下の画像のように、さらに都道府県で抜粋した記事も書ければ良いと思っています。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

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