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【宮城県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する

将来人口推計

将来推計人口の考察についての過去記事はこちらから
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【都道府県別】2025年・2035年・2045年の将来推計人口を分析する

今回取り扱うのは宮城県です。
宮城県は、札幌・広島福岡と並び、地方中枢都市として地方ブロックの中枢を担う都市「仙台市」を有する都道府県です。

東北地方の中心的な存在であり、都道府県の人口は約230万人と広島県(280万人)や新潟県(216万人)と似たような規模になります。

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2025年

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

宮城県は、仙台市に県民の約半数である109万人が居住し、仙台市とその周辺は都市化が進んでいます。しかし、その弊害として宮城県第二の都市「石巻市」では人口約14万人とかなり差がついており、仙台一極集中という言葉もあります。

2025年の地図を見てみると、仙台市やその周辺都市である富谷市・名取市などのベッドタウンにて人口が増加〜微減で推移しています。仙台市から離れていくと人口減少率が大きくなっており、石巻市や栗原市・気仙沼市などの比較的人口規模の大きい都市でも10〜15%以上の人口減少が見られます。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

宮城県で特に目立つのは、仙台市のベッドタウンである富谷市・名取市の人口増加です。

1970年の富谷市の人口は5000人に満たない数でしたが、ニュータウン開発が進んだことで飛躍的に人口が増加し続け、近年のコストコ開業や仙台市通勤圏という立地から現在は5万人を超えて2016年に市政移行を果たしています。2025年時点では人口増加が続く予測となっています。

名取市は人口の増加が戦前より続いている地区で、1980年以降のニュータウン開発や県道整備、仙台空港アクセス線の開業など交通インフラが充実したことにより近年人口増加が加速しています。
2025年には人口8万人を突破し、人口増加が継続しているものと予測されています。

仙台市に目を移すと、若林区では人口が保たれているものの、その他地域では微減となっており人口減少が広島市福岡市よりも早く顕在化しています。
東北地方全域で高齢化が他地域よりも深刻な状況であり、仙台市域の高齢化率は低く保っているものの、東北地方からの人口流入が少なくなっていることが原因の一つと考えられます。

2035年

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2035年時点でも基本的に傾向は変わりませんが、郊外部でさらに人口減少が深刻になっています。気仙沼市や栗原市では3割を超える減少率であり、仙台市周辺以外の中心都市では軒並み激しい人口減少が予測されています。

仙台市周辺を見ると、仙台市全域で5〜10%の人口減が起きているのとは対照的に、ベッドタウンである名取市と富谷市では人口を保っています。
特に富谷氏は2025年よりも人口が増加しており、高い増加率を維持しています。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

県内で10万人を超える市町村では、仙台市・大崎市と石巻市で減少幅に大きな差がついています。
大崎市は市内の一部地域が仙台通勤圏となっており、市内にも古川地区を中心として市街地が形成されています。JR東北本線が市内に走っており、仙台へのアクセスは比較的良好です。

石巻市も仙台市とはJR仙石線に繋がっており、仙台市へのアクセスは大崎市と変わらず可能です。
しかし、石巻市は少子高齢化が大崎市よりも進んでおり、震災以前から人口減少が問題となっていました。少子高齢化が早期に顕在化していた地域は、他地域よりも早く人口減少の影響を受けています。

2045年

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2045年になると、仙台市から離れた宮城県北部・南部では人口減少率が4〜5割に達します。
仙台市とその他地域の減少率に差が大きく、宮城県内の仙台市の人口占有率は50%を超え、ますます仙台市への一極集中が進んでいることがわかります。

2035年まで人口増減率100以上を維持していた名取市も減少局面に入っており、10年間で約5%の人口減が予測されています。宮城県内で2015年から人口を伸ばしているのは富谷市のみとなります。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

唯一人口増減率が100以上の富谷市も、2035年と比較すると人口減少が始まっており、この時期になると全ての自治体で人口減に転じています。
仙台市内でも都心と離れた若林区や宮城野区では15〜20%の人口減となっており、都心を有する青葉区も13.5%減です。仙台市全体で約15%人口が減少し、100万都市を維持するのが難しい状態です。

石巻市では人口10万人を下回っており、県内第二の市町村は大崎市となることが予測されています。
また、宮城県の人口も200万人を切るなど宮城県内では大台を下回る自治体が多いです。

宮城県の特徴として、県庁所在地である仙台市であっても高齢化率が比較的高く推移しています。
2045年時点の予測として、
福岡市:31.7%
広島市:33.7%
仙台市:39.4%
であり、地方中枢都市の中でも高齢化が深刻です。
東北地方は全体的に高齢化率が全国平均と比較しても高い場合が多く、少子高齢化対策に特に力を入れる必要があります。

総括

全国的にみて若者率や開業率が高く元気な都市「仙台市」を有する宮城県でも、近い将来深刻な人口減少と高齢化問題が表面化します。
東北地方で唯一100万人を超える大都市であり、40万人を超える自治体が無い東北地方で圧倒的な存在感を発揮する仙台市も2045年には100万人を割り込み、県内南北でも激しい人口減少が進んでいきます。

自然災害が多く、多額の費用を災害対策やインフラ整備に費やす必要がある中、比較的好調な発展の中にある宮城県仙台市を中心に、今のうちに高齢化対策や人口減少対策を推し進める必要があると考えます。

以上宮城県の将来推計人口について紹介・考察でした。
ご意見・ご感想があれば気軽にコメントやお問い合わせ、TwitterのDMまでお願いいたします。

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