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【秋田県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する

将来人口推計

下記の記事で、将来推計人口を紹介・分析しています。
【福岡県内】2025年・2035年・2045年の市町村別将来推計人口を分析する
【都道府県別】2025年・2035年・2045年の将来推計人口を分析する

今回は秋田県の将来推計人口を取り扱います。
秋田県は、2045年時点で人口減少率が全都道府県で最大で、高齢化率も唯一50%を超える自治体です。
2020年の国勢調査では、人口95万9,502人であり、100万人を割っています。

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2025年

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2025年時点の市町村別人口増減率です。
前回取り扱った福岡県の状況と比較して、減少率が激しいことがわかります。

県庁所在地である秋田市と、その周辺自治体は比較的減少が緩やかですが、県北部を中心に10年間で3割近い減少率の市町村も存在します。
藤里町や上小阿仁村など、人口が希薄な地域の人口減少が目立ちます。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

各市町村のデータを見てみます。
減少率が少ない上位の市町村は、県内でも比較的多くの人口を有する地域であり、秋田県内でも都市部への人口流出や過疎地域の衰退の加速が見られます。

また、秋田県自体の減少率が86.5%と殆どの自治体の増減率よりも高位であることから、秋田市単独で平均値を上げているに過ぎず、県の大部分は県平均よりも激しく人口減少が起きることを示しています。
10年間のみで15%近い人口減少が発生する秋田県では、高齢化問題や空き家問題・インフラ保全などの対策が急務です。

高齢化率の高さ(県平均40.8%)も秋田県では大きな課題であり、前回取り扱った福岡県の2025年時点での高齢化率29.6%と比較するとかなり深刻であることがわかります。

2035年

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2035年の人口増減率を見ると、2025年と県内の傾向はほぼ変わりませんが、減少率が4割を超える自治体も見受けられるようになります。
秋田市のみがかろうじて2割未満の減少率をキープしているのに対し、県北部は3割〜5割と高い減少率を示しています。

秋田県内よりも青森県弘前市との関わりが深い大館市のみ、3割以上をキープしているのも特徴的です。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

県全域で減少率が悪化しており、約半数の自治体で高齢化率が5割を超えています。
また、若者率の低さも深刻であり、10%を超える自治体が存在していません。

日本では長らく高齢者1人を現役世代1人で支える肩車型社会の到来が予想されており、2060年には日本全体で肩車型社会となると言われていますが、秋田県では2035年時点ですでに肩車型社会の状態にあります。

秋田県では、日本の未来としてそのような社会にどう対応するか、国が主体となって試験的に社会政策を打ち出しても良いのかもしれません。

2045年

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

2045年時点の地図では、明らかに壊滅的な人口減少が県全体で見受けられます。
人口減少率3割を下回っているのは県庁所在地である秋田市しかなく、秋田市以外の全ての自治体で減少率が37%を超えています。

県内の町村を中心に減少率が5割を超えている自治体も多く、中には約65%の減少率となる自治体も複数存在します。

この急激な人口減少が秋田県ではたった30年の間に発生してしまうというのが悲しい現実です。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』より作成

データを見るとさらに悲惨さがわかります。
ほぼ半数の自治体で人口が半減しており、全ての自治体で高齢化率が45%を超えています。
下位の自治体では60%を超えている自治体も珍しくなく、地域経済を維持するのが困難な状態です。

若者率もかなり低く、教育機関の維持のほか、若者の県外流出対策も難しいと思われ、政治は高齢者のための政治が行われてしまうでしょう。

総括

秋田県は全国屈指の高齢化都市であり、日本が迎えるであろう肩車型社会を先取りした県です。ここで高齢化社会に向けた取り組みや出生率改善策を積極的に打ち出し、日本の高齢化政策の先端モデルとなることが求められます。

若者のための政治・行政が行われなくなれば、2045年以降の未来も暗く困難な道になります。
今の若年層もこの現実を知り、次の世代のために何が必要かを考える機会が必要です。この記事や人口問題研究所の将来人口推計が多くの若者に届き、議論する機会となれば幸いです。

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