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土日が終わるのはあっという間ですね。
最近はあったかくなったと思えば、今日はかなり寒くて辛いです。
さて、前回は、3大都市を都会の基準とした場合を考察しました。
しかし、下記の通り、3大都市圏以外にも発展した都市は複数存在します。
今回は、3大都市という絶対値以外の基準で考えてみましょう。
4.地域の中枢を担う都市が都会
このような考え方も、多くみられますね。
まず、地域の中枢とは何か。
これは、日本で言うところの、「〇〇地方の中心」です。
関東の中心は「東京」、関西の中心は「大阪」、東海の中心は「名古屋」
その他にも
北海道の「札幌」
東北の「仙台」
中国の「広島」(中四国とも言われます。)
九州の「福岡」
といったところでしょうか。
北陸や甲信越は、各々の都市が個別に発展している印象がありますね。
四国もそれに近いですが、政府機関や支店などが「香川」に比較的多く集まる印象を受けます。
中枢性を都会の基準にする際、よく用いられる指標として
「広域都市圏人口」
「地域ブロックの各種指標」
が挙げられるでしょう。
まず、広域都市圏人口ですが、
対象地域に人口の1.5%以上が「通勤」「通学」する市町村を都市圏として総務省が定義する「都市圏」をみてみましょう。
総務省の定義では、中枢都市と、近接した政令指定都市を「中心市」とする大都市圏が定義されています。
やはり、先に挙げた7都市は都市圏人口が200万人を超える大規模な都市圏を形成しているのがわかります。
ここでは「静岡・浜松大都市圏」が、札幌・仙台・広島を抑えて5番目に人口の多い都市圏を形成しています。
実際、静岡県は約364万人の人口を誇る国内第9位の都道府県です。
この規模は、広島県(280万人)、宮城県(231万人)を大きく上回る数値です。
しかし、静岡や浜松が前述の7都市のように都会論争に出てくることはそれほど多くありません。
それは複数の原因が考えられるでしょう。
こちらは他の記事で解説できればと思いますが、ざっくり言うと
東京・名古屋圏に挟まれ、県内でも都市が二分してしまっている。
ことが大きな原因と考えられます。
ここで言う、「地域の中枢を担う」と言うより、
「都道府県の中心」である認識の方がより強くなってしまっているのでしょう。
次に、地域ブロックの人口を見てみます。
区分の方法は何通りかありますが、
より実態をわかりやすくするために細かいものを用いています。
これを見ると、やはり3大都市圏を有する
「関東」「関西」「東海」の3地方が人口的に優位にあります。
また、九州地方が次点で多く、
東北・中国・北海道、、、と続きます。
ここで、「北海道」よりも「東北」「中国」の方が人口が多いことがわかります。
しかし、この地方に属する札幌・仙台・広島の中で、より栄えているのは「北海道地方」にある「札幌」と一般的には言われることが多いです。
これは、他の大都市圏が大きく影響していると言えます。
仙台や広島は、「東京」「大阪」「福岡」に程近く、
東北の福島や、新幹線でつながる山形は、東京を向き、岡山は神戸・大阪、山口西部は福岡に関心が向きがちです。
また、中国地方は岡山と広島で、影響圏を二分している面もあります。
その点で、「札幌」は他都市圏の影響が少なく、北海道地方の圧倒的な中心として存在し得るのでしょう。
福岡についても、札幌と同様の傾向があり、さらに強い影響範囲を持ち合わせています。
コロナの影響が全くない2018年の転出先トップ
もしくは2位が福岡県である自治体を見ると、下記になります。
- 佐賀県 1位 福岡県 7534人 2位 長崎県 1820人
- 長崎県 1位 福岡県 9547人 2位 東京都 2647人
- 熊本県 1位 福岡県 9002人 2位 東京都 3584人
- 大分県 1位 福岡県 7163人 2位 東京都 2217人
- 宮崎県 1位 福岡県 4128人 2位 東京都 2541人
- 鹿児島県 1位 福岡県 6183人 2位 東京都 3543人
- 山口県 1位 福岡県 5096人 2位 広島県 4682人
- 沖縄県 1位 東京都 5259人 2位 福岡県 2624人
福岡県は、九州全県において圧倒的シェアで転出先トップとなっており、さらには山口・沖縄にも大きな影響を及ぼしています。
全国で見ても、転出先がトップとなる都道府県の数は
- 東京 22
- 大阪 8
- 福岡 7
- 宮城・愛知・広島 2
- 埼玉・神奈川・石川・兵庫 1
となり、かなり多い部類です。
北海道は、島一つで北海道なので話が変わってきますが、福岡も九州島の全域と山口・沖縄に強い影響力を持つことがわかります。
(ここで愛知より多いから福岡の方が影響力が強い!と言う見方もあると思いますが、そもそも愛知は薄く広く日本中から転入があるので、単純比較はできません。)
この通り、東名阪を含む地方の中枢都市は、日本において大きな影響力を持っています。
このような基準で都会か田舎かを判断するなら、下記のようになります。
- S 東京
- A 大阪
- B 名古屋
- C 横浜 福岡
- D 札幌
- E 仙台 広島 神戸 京都
- ・・・
まぁ、個人差はあると思いますが、中枢性を重視するなら、おそらく7大都市に優位性がありベッドタウンに不利な基準となるでしょう。
それでもなお横浜や神戸・京都は都市圏の副都市としての中核を担う都市として無視することはできない存在です。
今回は長くなったのでこれまでにします。
次回は、より地方に目を向けて考察しようと思います。
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コメント
あの愛知の転出先は神奈川なんですが??
https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/639640/amp/
横浜をベッドタウンって扱いなら
愛知は東京や神奈川に人口吸い取られてます。これで拠点があるなんて言えません
横浜はベッドタウンの側面と拠点都市の側面の両方を持っています。
東京や横浜に人口を吸い取られていない地方都市は存在しませんので、その論理で行くと拠点性がある都市が存在しなくなっちゃいますね。
愛知(名古屋)は東海地方を中心に十分な拠点性を持っていると私は考えています。
人気記事からこの記事にたどり着きましたが、(1)へのリンクを張って頂けると嬉しいです!