福岡市の構造
福岡市は博多湾に面した福岡平野に位置し、7つの行政区が存在し、中心市街地である天神・中洲・博多があるのは中央区と博多区です。
東西と南部には拠点地域である「西新・藤崎・シーサイトももち」「香椎・千早」「大橋」の副都心地域があり、中心部と郊外地域は鉄道と幹線道路、環状線を含む都市高速によって繋がっています。
市域の約3分の1が非可住地となっており、特に西区と早良区に非可住地の山地が多く含まれます。
東区の海の中道は天橋立と並び日本を代表する陸繋砂州で、森の緑活用空間として自然環境保全が行われています。
福岡の都心地域
福岡市がマスタープランで定める都心区域は、博多駅と西鉄福岡駅(天神駅)を中心として博多港や西鉄平尾駅を含んだ地域です。
博多地区
博多駅周辺は九州最大のビジネスエリアです。
多くのオフィスビルが博多駅博多口から広範囲に広がり、博多駅前の一大オフィス街を形成しています。
博多地区と天神地区の間にはキャナルシティと呼ばれる巨大な複合商業施設があり、多くの市民や外国人観光客で賑わっています。
中洲地区
博多地区と天神地区のちょうど中間に位置する中洲エリアは、日本でも類を見ない規模の夜の街が広がる中洲エリアです。
多くのビジネスマンが集まり、平日の夜は活気にあふれています。
東京・歌舞伎町、札幌・すすきのと並ぶ日本三大歓楽街として紹介されることが多いですが、前者が歓楽街と繁華街が混在したエリアなのに対し、この中洲エリアは純然とした歓楽街の街で、2つの歓楽街とは違った雰囲気を持っています。
天神地区
天神エリアは福岡の私鉄のターミナル・西鉄福岡(天神)駅を中心とした九州最大の繁華街です。
天神地区の中でも、
百貨店やパルコなどの大規模商業施設が集まる「渡辺通」
若者向け商業ビルエリア「西通り」
アパレルショップや古着屋、カフェやバーなどが集まる「大名」
飲食チェーンやライブハウス、クラブなどの若者向け店舗が集まる「親富孝通り」
というようにエリアで街の顔が大きく違います。
都心外縁部
わかりやすい福岡の中心部は前に挙げた「天神」「中洲」「博多」の3地域ですが、その他にも都心エリアに含まれた地域があります。
博多港エリア
博多港エリアは貨物物流のほかに、福岡と釜山を結ぶ高速船やクルーズ船が帰港する国際フェリーターミナルがあります。
また、コンサートや国際会議、競技大会などで賑わうマリンメッセ福岡、福岡サンパレス、福岡国際会議場などのMICE施設が集積し、広い地域から人が集まるエリアとなっています。
福岡市はこのウォーターフロントエリアを第3極とみなして大規模な再開発を計画しています。
赤坂エリア
赤坂エリアは地下鉄天神駅の次の駅で、天神からの繁華街が連続しているエリアとなります。
前述した「親不孝通り」「大名」エリアへは赤坂駅が最寄りとなっており、九州一の繁華街「天神」の大きさを物語っています。
また天神に近い立地のため高層マンションが多く居住地として人気のエリアでもあります。
薬院エリア
薬院エリアは西鉄天神大牟田線・地下鉄七隈線が利用できる天神南部のエリアです。
天神のメインストリート「渡辺通り」から南に下ると薬院に辿り着きます。
市街地は天神から連続しており、繁華街というよりもオフィス街の役割が強く、「NTTドコモ」「旭化成」「小学館」など大企業の九州支店や「レベルファイブ」「九州電力」などの地元有力企業が薬院駅周辺に集まっています。
薬院大通駅や浄水通り周辺などは福岡屈指のお洒落なエリア、高級住宅街となりとても人気の高い地区です。
平尾エリア
福岡市のマスタープランで定められる都心地域の南端にある平尾地区はオフィスとマンションが混在する私鉄沿線エリアです。
都心外苑で天神へのアクセスが良く、利便性の高い私鉄の駅として人気の高いエリアで、平尾山荘周辺は浄水通りと隣接する高級住宅街を形成しています。
駅ビルが整備され、福岡赤十字病院も近く、居住環境として優れています。
総括
よく福岡市は「博多」「天神」「中洲」(赤坂)を都心地域として挙げられますが、実は都市計画では「博多港」「薬院」「平尾」まで都心として計画されています。
平尾周辺になると郊外色が強くなりますが、人口増が顕著な福岡市では都心が南に広がっている傾向が強いです。
さらに、博多港周辺は福岡市が特に「博多」「天神」に並ぶ第3都心として整備する計画が進められており、将来性が高い地域となっています。
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