政令指定都市主要駅の列車本数を比較していくこのシリーズ、筆者はかなり気に入っているのですが、如何せんPVが伸びないので、気になっている方は少ないのではないかと落ち込んでいますが、個人的に知りたいので続けます笑
前回は、地方政令市の中でも規模が小さい5市「新潟」「静岡」「浜松」「岡山」「熊本」を比較しました。
今回の記事では、残る地方政令市「札幌」「仙台」「名古屋」「広島」「北九州」「福岡」を比較していきます。
名古屋は地方ではない!と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、関東関西と比べて鉄道事業者が少ないため、調べやすさの面で「地方」と言う区分にさせていただいております。ご了承ください。
札幌
札幌市は、近代以降急速に発展した大都市で、広大な市域の中に多くの人が暮らしています。
市域や可住地が広大なため、市域の人口と比べると都市圏人口は少ない傾向にあり、都市間交通よりも都市内交通が発達した地域です。
豪雪地域に位置するため、同規模都市と比べて地下鉄が発達しています。
札幌市の人口は1,970,470人で、政令市では名古屋市に次ぐ第4位の人口を有します。
札幌市の中心部は、JR札幌駅周辺と、駅から1キロほど離れた大通・すすきのになります。
JR札幌駅に
函館本線・学園都市線・千歳線
の3路線
市内には地下鉄路線の
南北線・東豊線・東西線
と、路面電車の環状線が走っています。
また、JR札幌駅には北海道新幹線の延伸が計画されており、2030年末に開業目標とされています。
JR札幌
函館本線はラッシュ時8本運行で、日中も小樽方面では快速エアポートが千歳線から直通しているため、それほど本数を落とさず運行されています。
江別方面も日中5本と利便性を保っています。
学園都市線は本数こそ少ないものの、基本6両編成で日中3両編成と比較的長い両数の電車が運行されており、利用者の多さを物語っています。
千歳線は札幌市と新千歳空港を繋ぐ路線で、札幌〜東京間唯一の移動手段のため、毎日多くの人が利用します。
そのためJR線では最も本数が多く、6両編成の快速電車も多数運行しています。
地下鉄さっぽろ駅・大通駅
地下鉄駅で最も利用者の多いさっぽろ駅には、南北線と東豊線の二路線が走っています。
また、次点で大通駅の利用者が多く3路線全てが乗り入れています。
地下鉄路線3線ともにラッシュ時14〜16本、日中も8本で運行されています。
地方の新興政令市ではこの規模の運行本数は存在せず、5大都市の一角として十分な規模です。
ラッシュ時であれば4分に1本間隔と、時刻表を見ずに利用可能です。
札幌市電
札幌市内には市電も走っており、大通周辺を起点に中心部南西方面をカバーしています。
札幌市中心部から南西方面は地下鉄やJRが運行していない地域で、地下鉄・路面電車が共存している数少ない都市の一つです。
一両〜三両編成と他と比べれば小規模ではありますが、運行本数も地下鉄と遜色なく、かなり利便性は高いものと思われます。
仙台市
仙台市は、東北新幹線と秋田新幹線が走る新幹線駅であり、在来線も5路線が走る東北一のターミナル駅です。
また、地下鉄では近年開業した東西線と合わせて、市内縦横に2路線が走ります。
仙台市の人口は1,095,730人で、東北地方で唯一40万人を超える圧倒的な存在です。
仙台市の特徴として、同規模の広島市と比較して都市圏規模が大きく、昼夜間の人口比率も高いため、都市間交通が比較的発達しています。
JR中心駅では、倍近い市域人口を持つ札幌市と比較しても遜色ないほど利用者が多いです。
仙台市は、名古屋市や福岡市、広島市などと異なり、繁華街と中心駅が近くに立地しています。
上記に挙げた都市では、JR中心駅〜繁華街の地下鉄利用者が最も多くなる傾向がありますが、
仙台市の地下鉄乗車人員トップが地下鉄仙台駅で、
二番目が南北線北端の泉中央駅です。
各路線の乗車人員も圧倒的に仙台駅が多く、仙台市の中で駅前はかなりの中枢性を有しています。
その中心部に位置するJR仙台駅には、
東北新幹線・秋田新幹線のほか
仙石線・仙山線・東北本線・常磐線・仙台空港アクセス線
の7路線が乗り入れており、都市内をカバーしています。
JR仙台駅
JR仙台駅は新幹線駅でもあり、秋田新幹線の始点駅です。
東北新幹線は、東京方面5本・函館方面3本と一定の利便性を有していますが、秋田新幹線に至っては毎時1本とローカル線の様相です。
しかし、新幹線自体が特急電車の代替と考えると、秋田の都市規模的にも適切な運行本数かと思います。
在来5路線で最も目を引くのは、仙台市と宮城県第二の都市「石巻市」を結ぶ仙石線です。
ラッシュ時9本という高頻度運行を行なっており、4〜6両編成の利便性が高く利用者の多い路線です。
より中心部に近いあおば通りまで路線がつながっており、仙台市のJR線の中では最も利用しやすい路線の一つです。
では、他の路線の運行本数が少ないかと言われるとそうではなく、
東北本線・仙台空港アクセス線・常磐線は「名取駅」まで停車駅が共通しており、市内で利用する分にはラッシュ時9本と仙石線と比較しても同様に利便性の高い区間になります。
両数は2〜6両と、両数が少ない電車も走っています。
仙山線は市内北部から東部にかけてを走る路線ですが、ラッシュ時4本・日中3本と、最低限の利便性は確保されています。
地下鉄仙台駅
地下鉄仙台駅は、仙台駅を中心に市内縦横に伸びる路線です。
東西線は2015年に開業した、国内の地下鉄路線では最も新しい路線です、
仙台駅から東西にかけて鉄道が走っていない住宅地があり、それらの地域をカバーしています。
元からある南北線は、副都心の泉中央や繁華街内部を通る路線です。
ラッシュ時14〜16本とかなり利便性の高い路線となっています。
一方、新規開業した東西線は住宅地を走る路線であり、ラッシュ時12本と一般的な地下鉄路線と比較すると少々控えめです。
しかし、地下鉄らしく日中8本は確保されているため、地下鉄沿線は間違いなく鉄道利便性の高い地域になっています。
広島市
札仙広福の一角を占める広島市です。
大企業のマツダが有名な工業都市で、山々に囲まれた三角州に位置しています。
広島市の人口は1,193,262人で、政令市10番目の規模です。
中四国では最大の都市で、都市圏は呉市や岩国市など、東西に広がります。
広島市の主要な都市内交通機関といえば、やはり路面電車「広島電鉄」で、日本一の利用者・路線長を誇ります。
広島市の中心駅は、いうまでもなくJR広島駅ですが、繁華街は紙屋町・八丁堀周辺で、広島駅からは距離があります。
JRでアクセスすることはできないため、公共交通を利用するなら路面電車が中心になります。
また、広島には地下鉄がない代わりにアストラムラインという新交通システムが走っており、繁華街の中心部から広島市北部にかけて路線を持っています。
JR広島駅には「山陽新幹線」のほか、
山陽本線・芸備線・呉線・可部線
の4つの在来線が乗り入れており、広島駅前には広島電鉄の路面電車停留所があります。
近年、広島駅の再開発を控え、駅前で大規模な再開発が行われているのも広島の特徴です。
JR駅内に路面電車が乗り入れる予定で、JRからの乗り換えがスムーズになります。
JR広島駅
JR広島駅は、山陽新幹線全列車停車駅であり、博多方面・新大阪方面とも5〜7本と高い利便性を有します。
在来線で最も本数が多いのは「山陽本線岩国方面」でラッシュ時8本運行しています。
岩国方面への列車は、呉線からの直通列車も含まれるため本数が多くなっており、白市方面へも呉線と分岐する海田市駅まではラッシュ時9本運行です。
3〜6両編成を中心に、ラッシュ時は8両編成も運行されており、車両数も確保されています。
可部線も広島市北部を走る都市内路線であり、ラッシュ時5本運行と一定の利便性を保持しています。
4両編成の新型車両が運行され、ローカル線の雰囲気ではありません。
人口が希薄な山間地域を走る芸備線のみ、毎時2本程度とローカル線の様相を呈しています。
アストラムライン
途中駅、長楽寺終点の列車も含みますが、ラッシュ時約20本という驚異的な数字を叩き出しています。
同規模の都市でラッシュ時20本を単一路線で叩き出している場所は無いに等しいため、アストラムラインの運行本数の多さには驚かされます。
新交通システムのため、1両1ドアの小型車両ではありますが全列車6両編成のため、JRの車両2〜3両分ほどの規模で高頻度運行されているのと同義です。
一両に対しての定員が多く無いので、高頻度で走らせることで乗客を捌いているものと考えられます。
終点の広域公園前からJR西広島駅までの延伸も計画案があり、依然注目度の高い路線です。
広島駅周辺に直結していないのが難点ですが、市街地中心部へのアクセスとして利用する分には申し分無いでしょう。
広島電鉄
地下鉄のない広島市で都市内交通を担っているのは、日本最大の路面電車網を持つ「広島電鉄」です。
最大の利用者数を誇る広島駅から出る路線は4路線ありますが、その内5号線を除く3線は広島市の繁華街「紙屋町」「八丁堀」まで直通しています。
そのため、ラッシュ時は繁華街方面に22本の電車が運行されており、他都市の運行本数を圧倒しています。
また、広島電鉄の最新車両では5車体3台車で運行されているものもあり、路面電車とはいえ一般鉄道と大差無い編成長です。
それほど長い路面電車が道路を走ると、渋滞しないのかと心配になりますが、さすが日本最大の路面電車都市ですね。
北九州・福岡・名古屋
全ての紹介と比較を行いたかったのですが、このまま行くと文量が1万字を超えかねないので、中編を2分割します。申し訳ないです。
総括は全ての紹介が終わってからさせていただきます。
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