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主要都市の住宅事情比較 【共同住宅率・一戸建て率・空き家率】

都市を語る

あなたが住んでいるのは、マンションですか?一戸建てですか?それとも長屋?
都市によってはマンションなんか見たことないような街や、一戸建てが存在しないような都市部もあります。
今回は、県庁所在地・政令指定都市・東京特別区部における共同住宅率・一戸建て率・空き家率を比較していきます。

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各種指標の定義

共同住宅率や一戸建て率、空き家率などの定義は次のとおりです。

共同住宅

一棟の中に二つ以上の住宅があり,廊下・階段などを共用しているものや二つ以上の住宅を重ねて建てたもの。1階が店舗で,2階以上に二つ以上の 住宅がある場合」も「共同住宅」としている。

引用元:「統計でみる都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」
URL: https://www.e-stat.go.jp/koumoku/koumoku_teigi/H#H1403

一戸建て

一つの建物が1住宅であるもの。

引用元:「統計でみる都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」
URL: https://www.e-stat.go.jp/koumoku/koumoku_teigi/H#H1403

空き家

(1)二次的住宅

別 荘 …… 週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で,ふだんは人が住んでいない住宅。

その他 …… ふだん住んでいる住宅とは別に,残業で遅くなったときに寝泊まりするなど,たまに寝泊まりしている人がいる住宅。

(2) 賃貸用の住宅

  新築・中古を問わず,賃貸のために空き家になっている住宅。

(3) 売却用の住宅

新築・中古を問わず,売却のために空き家になっている住宅

(4) その他の住宅

上記以外の人が住んでいない住宅で,例えば,転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどの ために取り壊すことに なっている住宅など。

引用元:「統計でみる都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」
URL: https://www.e-stat.go.jp/koumoku/koumoku_teigi/H#H1403

なお、二つ以上の住宅を一棟に建て連ねた住宅である長屋は共同住宅・一戸建てには含まれていません。

共同住宅率の高い都市ランキング

「統計でみる都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」をもとに作成
共同住宅率 = 共同住宅数/総住宅数

那覇市

東京特別区を抑えてトップに立ったのは、那覇市
那覇市は人口約31万人の中核市であり、言わずと知れた沖縄県の県庁所在地です。
人口規模はランキング上位の他の都市と比べて小さいですが、都市の面積が小さいため、人口密度は名古屋市を上回る県庁所在地4位と高い人口密度を誇っています。

豊見城市や浦添市など周辺自治体も人口密度の高い都市が多く、マンションやアパートなどの共同住宅が多いのは納得ですね。

福岡市

写真提供:福岡市

福岡市は僅差で二番手につけており、共同住宅がかなり多いことが伺えます。
人口密度はさいたま市に次ぐ7位ですが、福岡空港が市街地に近く、市の広範囲で高さ規制が厳しいため、中低層建築物が広範囲に広がっています。

昔からマンションなどの共同住宅が多い都市で、郊外の香椎地区や西新地区では超高層マンションの建設も盛んです。

東京特別区部

東京特別区部は以外にも3位です。
東京都は都心地域の超高層建築物がイメージしやすいですが、江戸川区や練馬区、世田谷区など東京23区の外縁には広大な低層住宅街が広がっています。

とはいえ、超高層マンションを都市に多数抱えつつ広大な戸建住宅地を持つ東京都の規模は、他の都市と一線を画しています。

その他

その他の上位都市を見ると、
首都圏の主要都市「川崎市」「横浜市」「千葉市」
関西圏の主要都市大阪市」「神戸市
各地方の中心的都市である名古屋市」「札幌市」「仙台市」「広島市

など中枢性の高い都市で共同住宅率が高い傾向にあります。
共同住宅率が高い要因に、人口密度の他に単身世帯の割合が高いことが挙げられます。

単身赴任や若手社員などが一軒家に住むことはあまり考えられず、家賃が安いマンションやアパートなどの共同住宅に住む割合も多くなります。

那覇市・福岡市は東京特別区より共同住宅率が高い

都圏や関西圏・地方中枢都市圏の政令市が上位

一戸建て率

「統計でみる都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」をもとに作成
一戸建て率 = 一戸建て数/総住宅数

富山市

富山市は、県庁所在地で可住地面積が2位・可住地面積人口密度も46と、土地が広く土地当たりの人口も少ない自治体です。そのため一人当たりが利用できる土地面積も広く、一戸建ての割合が高いのは必然的ですが、富山県(富山市)では街の広がりすぎ(郊外化)が深刻であり中心市街地の衰退やインフラ整備など様々な課題を抱えています。
富山ライトレールという路面電車や鉄道を利用した都市部への人口集積策を実施しており、日本におけるコンパクトシティ政策の先駆けとしての事例が有名です。

しかし、一人当たりの土地が多いほど広い家に住みやすいという利点もあり、持ち家一軒あたり延べ面積は福井県に次ぐ県庁所在地2位の152.76㎡※1となっています。
広々とした暮らしがしたい方は上位の都市がおすすめですね。

福井市

第二位の福井市は県庁所在地では可住地面積人口密度が35位と富山市と比べると高いですが、持ち家一軒当たりの延べ床面積は159.49㎡※1で県庁所在地トップです。
様々な住みやすさランキングの上位に名を連ねることが多い福井市ですが、一戸建て率の高さというのも一つの利点に挙げられるかもしれません。

北陸2県は一戸建て率が高い地域でした。

津市

三重県の津市も可住地面積の人口密度が低く、県庁所在地で43位です。
津市の玄関口である津駅は、中心市街地である橋内から2キロ程離れており、駅前から離れると北側には戸建の住宅地があります。
津駅から橋内へ繋がっている23号線沿いを中心にビルやマンションなどの高層建築物が存在し、この地域から外れると戸建宅地が広がっています。
津市は大都市と比較すると持ち家の一軒あたり延べ面積は広いですが、福井や富山とは差があります。

その他

一戸建て率が5割を超えている18都市は殆どの都市で可住地面積人口密度が2000人/㎢を超えていますが、和歌山や岐阜・大津のように約2500人/㎢を超える自治体も存在しています。
これらの自治体は大阪市や京都市・名古屋市のベットタウンでもあり、ファミリー層などの一戸建て需要が影響していることが考えられます。

しかし、可住地面積の人口密度に相関があることは間違いなく、一戸建て率が高いという結果となりました。

※1 都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)1住宅あたり延べ床面積 調査年:2018年より

富山・福井の北陸2県で一戸建てが多く、住宅面積も広い

可住地面積の人口密度が低い都市に一軒家が多い傾向がある

空き家率

考察

空き家率が高い都市は、人口規模・立地・地方とも様々です。
特徴を挙げるなら下記が考えられます。

  • 東北地方が上位にない。
  • 「甲府市」「岐阜市」「和歌山市」「佐賀市」「高松市」「徳島市」「前橋市」「水戸市」「宇都宮市」「津市」など大都市圏に隣接する市がある。
  • 北九州市」「大阪市」の2都市は大都市では人口の自然減少が激しい地域である。

大都市圏に隣接する市が特に多く、隣県への転出が空き家率に大きく関係していることが考えられます。空き家になる要因は家の持ち主が亡くなる自然減少と引っ越しして住む人が居なくなる社会減少であり、いずれも高い地域で空き家率が多いことが考えられるでしょう。

また、大都市圏に近い都市は大都市に住む人々の別荘地が存在することもあり、和歌山市や長野市など別荘が多い自治体では「空き家」として算出されるため、空き家率が高くなります。

人口減少が始まった日本でもまだまだ都市部で超高層マンションや新興住宅地の建設が盛んな地域もあり、将来空き家率が高い地域で治安悪化や景観の破壊が進まぬよう、自治体が率先して跡地活用や撤去活動を行なっていく必要がありますね。

東北地方では空き家率が少ない

大都市圏に隣接する地域で空き家率が高い

別荘などのセカンドハウス=空き家と算出されている

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