最近は暖かくなってきて、花粉がすごいですね。
たくさん咳をしてしまうので、コロナと間違われていないかとても心配な季節です。
前回の続きで、本日はIR和歌山についての紹介・考察をさせていただきます。
3.IR和歌山の概要
和歌山県がIRの推進を始めたのは、平成15年の「地方自治体カジノ研究会」発足まで遡ります。
この「地方自治体カジノ研究会」は、東京・大阪・静岡・和歌山・宮崎による要望活動をもとに発足した機関で、地方自治体の立場からカジノのあり方、意義、制度等についての研究を行うことを目的としていました。
平成16年には、和歌山地域経済研究機構(和歌山商工会議所等)が「和歌山県におけるカジノの可能性に関する調査・研究報告書」を策定し、県内でも積極的にカジノの可能性について議論が交わされています。
このように、和歌山は統合型リゾート(IR)整備推進法案の議論を始めた原点と言えるメンバーであり、和歌山県のカジノに向けた本気度はかなりのものです。
IR長崎完成予想図・立地について

IR和歌山は、この巨大な建物が中心となるようです。
この建物は、「和歌浦にそびえ立つ現代の鳥居」をコンセプトにしているそうです。
IR自体は欧州風のイメージがありますが、コンセプトに日本文化を取り入れている発想は、個人的に素晴らしいと感じます。
立地は、1994年に完成した人工島「和歌山マリーナシティ」を予定しています。
和歌山市中心部からはやや遠く、最寄駅からは徒歩約1時間程度かかるため、電車利用するには最寄駅からバスの乗り換えが必要である点は、他の候補地と比べ劣っています。
しかし、関西国際空港からはIR大阪の候補地よりも近く、国際線アクセスはかなり良いです。
高速バスによるアクセスが主体となることが予想され、駐車場は充実した規模で想定されています。
大阪市からは、電車で約2時間ほどの距離があるため、近隣大都市からのアクセス状況はIR長崎と似ていますが、関西国際空港からのアクセスを考えると、悪くない立地と言えるでしょう。

採算性・他候補地との比較

IR和歌山と比較されるのは、やはりIR大阪でしょう。
IR大阪は日本の統合型リゾートの中では大本命の存在です。IR大阪の予定地である大阪市は、新幹線・伊丹空港・大阪南港など、近接地に様々な主要交通機関が存在します。
新世界や京都などインバウンドで賑わいを見せる外国人に人気の地域も程近く、他の観光地との連携や好影響も大いに期待できる立地です。
また、資金調達力でも大きな差があります。
IR大阪は、MGMリゾーツインターナショナルとオリックスの他、近鉄・パナソニック・南海・JR西日本など約20社の地元大手企業が軒を連ねており、6000億円の投資を予定しています。
IR和歌山の現状は、出資に手を上げていた本命のサンシティグループ(太陽城集団)は撤退を表明しており、カナダの中堅PEファンドのクレアベストグループ一社のみから選考されました。
クレアベストグループの時価総額は約1000億円であり、総事業費の3分の1程度しかありません。
出資予定企業がいまだに公開されておらず資金調達も不透明であり、和歌山と深い関係にある南海ですら、IR大阪に名乗りを上げています。
今年の4月末には国に整備計画書を提出する必要があり、資金調達が不透明で強大なライバルが存在する中、本当にIR和歌山は実現するのでしょうか?
今後の動向が注目されます。
最後に
さて、苦境に立たされているIR和歌山ですが、この記事のタイトルでもある
「IRは地方発展の鍵となるか」
という話では、最も理想に近い形の計画です。
和歌山県は関西という立地でありながら、佐賀県や秋田県などとほぼ同じ人口規模であり、1995年調査から人口が減り始めている地域でもあります。
もし、IR和歌山が成功したら、和歌山の未来は大きく変わるでしょう。
個人的には、そのような未来も見てみたいと思ってしまいます。
単純な立地だけで見ると、悪くないと思います。資金調達や事業者についてかなり不安は残りますが。。
次回は、日本版IRの大本命・IR大阪について取り扱います。
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