福岡市では「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」の2つの大規模な再開発計画が進行中です。
天神ビッグバンは高さ制限の大幅な緩和が伴うため注目を集めやすいですが、博多コネクティッドも「西日本シティ銀行本店」や「博多スターレーン」などを中心に着実に実績を伸ばしています。
YJカード本社ビル
博多駅前の住吉通り沿いに佇む無骨なYJカード本社ビルが建て替えられます。
元々は、ヤフーカード(現:PayPayカード)を取り扱うワイジェイカード(株)の本社が入居するビルでした。しかし、PayPayカードへの移行に合わせて本社が東京に移転してしまい、こちらのビルも建て替えることになりました。
PayPayカード(株)については、福岡本社機能をすでに2021年竣工した「博多コネクタ」ビルへ移転しています。
近年はブリヂストンをはじめ、コカコーラボトラーズジャパンやPayPayカードなど名だたる企業が県外へ移転してしまう傾向が強く、支店経済脱却のため福岡発の大企業が求められます。
博多駅前3丁目プロジェクト
外観
こちらのビルは、地下部〜地上2階までの躯体を新築建物に利用することで環境負荷を軽減する設計になっています。
建物概要
敷地面積: 1,388㎡ 延床面積: 13,037㎡ 構造: S造, RC造, 一部SRC造 規模: 地下2階, 地上13階 用途: 事務所、店舗、駐車場 事業主: 中央日本土地建物株式会社 着工: 2023年9月 竣工: 2025年6月(予定)
博多コネクティッドに認定されているため、容積率に最大50%が上乗せされています。
イメージ
博多コネクティッドボーナスを受けるには、いくつかの付加価値を建物につけなければなりません。
この建物の場合は、「都心の森1万本プロジェクト」と「Fukuoka Art Next」の取り組みを踏襲しています。
イメージを見ても分かるとおり、オフィス前に広場を設けて公開空地を広く取り、街路樹をビル周辺に設けています。
ビル壁面部にも緑を取り入れられていることもパースから見て取れます。
広場にはパブリックアートやベンチが備え付けられ、市民がふれられるアートが飾られる予定のようです。
建物内部イメージ
2階のワークプレイスは、無料wi-fiが設置され、誰でも利用できるようなスペースとして整備される予定です。
3 階から 12 階までの貸室は、全てのフロアで換気が可能で、会社員の休憩場所やコミュニケーションスペースとして利用可能な植栽付きのテラスが設けられます。
終わりに
福岡で建設されているビルの多くは、公開空地が広く設けられており、広々とした街並みを感じさせるような作りとなっています。
優れたデザインは街の雰囲気をよくするので、2つの大規模開発が終わった後にどのような街並みになるか、とても楽しみです。
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